2017年10月31日

私が人形を作り始めたわけ④ の巻

 球体関節人形の通信講座を受講。

デザインの大学まで行っていたのだが、元々はグラフィック専攻で
二次元が専門の私。

会社に入り、プロダクトデザインの仕事をしていたが、
三次元はちょっと苦手。
立体物を作るなんて、もっと苦手。

小学校の頃、図画工作の図画はできたけれど、工作はお得意ではなかった自分・・・・。

人形作りはモロ立体物造形。
でもまあ、逃げていても仕方ないのでチャレンジ精神で臨んだ。


粘土でまずは原型作り。
最初はお人形の頭部を作る。

こんなもんか。



なかなか左右対称にならない。
でも習作だから初めてのものだから、と言い訳しつつ
これを原型にしました。

そして、次はこの原型から型を取る。



石膏粘土の原型は壊れてしまった。
側面で型を割り、原型の顔面と後頭部に別れている。

型はシリコン型。
1斗缶2個にA液とB液がそれぞれ入っており、凝固材を混ぜ、固める。
秤で量を測り、固める時間も決められている。まるで理科の実験そのもの。


型が出来上がったところで、次は人形の材料であるレジン系キャスト・鋳型材料を
型に注入。
これまた石油系の溶剤なので、シンナー臭い!
窓を開けて作業をせねばやっていられない・・・・。

そして出来上がったのがこれ。



左下の目に穴が開いているものは、出来上がった後で、
グラインダーで開けた。

そして、話はちょっと端折るけれど、
からだと手と足の原型も粘土で作った。
その型も取る。

型取りができたものがこれ。
なかなか上手く出来上がっている。



そしてそして、頭部と同様にレジン系キャスト。鋳型溶剤を流し込み、
それぞれのパーツの出来上がり。



プラモデルのパーツみたいだ。
実は何度か失敗をしている。
溶剤の測り間違えか、時間の間違えか
どろどろになって出てきたり、部分的に固まっていなかったり。
宇宙からの謎の物体Xが出来上がったりした。

で、どうにかこうにか次のステップに進んだ。

なんとなく、これで出来上がりじゃん と思いがちだが、
球体関節人形作りはまだまだ道半ばなのだ。
気が遠くなるような工程がまだ残っているのである。

それはまた次の日に続く・・・・・・
のである。

(ちゃんと付いてきてくれているのかなあ・・・・・・・)
(ちゃんと読んでくれている人がいるのかなあ・・・・・・)
(不安・・・・・・・)

だんだんグロテスクになってきたし、
人形作りに興味が無ければまったく面白くないし・・・・・・・

なんで私、こんなことにはまっちゃったんだろう・・・・・・・・・?

(今さら言うな~~~~~!!!!)








  


Posted by みなと at 19:01Comments(0)人形作り

2017年10月30日

私が人形を作り始めたわけ③ の巻

 人形ってちょっと不気味・・・・・・。
夜中に歩くし、髪の毛が伸びるし・・・・・・・。

昔から「ひとがた」と言って、土偶にして墓所に埋葬したり
丑の刻まいりと言って、呪詛に使ったりと
恐怖の対象になってきた。

だからかもしれないけれど、私の作る人形はダンナからは
「夜中に歩き出しそうだ!」とよく言われた。




人形の通信講座を受講し始めた私。
定期的にテキストが送られてきて、製作してその画像を先生に送ると
講評される。というシステム。

まず最初はラドールという石膏粘土を使って顔の造形を習う。
型があって、それを基に作ってゆけばよいのだが、難しい。



瞳は既成のガラス球。
ドール・アイと言って通販でも入手できる。

しかし、生首に見える・・・・・・。こあい・・・・・・・。

次はからだの造形。



型は無いので、自分でテキストの画像を参考に作りこむ。
胸の高さが不自然だ・・・・・・。

何度かこの石膏粘土を使っての造形の繰り返し。



生首だと可哀想なので、着色し、カツラもかぶせてみた。
こうしてみると、なかなか可愛い。

だが、まだまだ球体関節人形までの道のりは遠い。


そういえば、昨日のサーニット粘土の人形教室での完成した人形を
お見せしてなかった。
いや~、これぞこの後ぞくぞくと登場する「不気味人形」のファーストなのである。



サーニット粘土というのは、造形もしやすく(柔らかい)
オーブンで焼いた後、人肌のような温かみを感じられるような
質感に仕上がるという特徴のある粘土。(焼きあがると硬い)

型も必要ではなく、1品作りの人形作りに適している。
(そのかわり量産は不可)

いろいろな素材も知ることもでき、いろいろな教室に行くことは
メリットがある。

やろう!と思い立つとまずは「習う」ことから始める私。
我ながら、まじめなんだろうか?と思う。
しかし、短時間でスキルを上げる、技術を習得する と言ったら
やっぱり「人から習う」が一番でしょ。
と思う。


あ、この時、会社勤めももちろんしてたし、
Rulyishも並行してやっていたし、
なので人形作りは会社勤めが終わった後から夜にかけてと
休日にやってました。

それと人形屋新規立ち上げ計画も進んでましたよ~。


人形修行 まだまだ続きます。  


Posted by みなと at 09:54Comments(0)人形作り

2017年10月29日

私が人形を作り始めたわけ② の巻


 昨日は、人形屋さんを開業しようとしているおじちゃまとの出会いまでお話しましたっけ。

おじちゃまがやりたかったのは、「雛人形屋さん」。
が、私ははたと考えた。
雛人形ってのは、季節商品。
一年の間、売れる時期はお正月過ぎから3月頭まで。

まあ、五月人形も含めるとしても
5月まで。

となると、1年のうち半分は何を売ればいいのだろう?

だったら、雛人形にこだわらず、人形全般を扱うお店
の方が通年で商売ができない?

まあ、素人発想であろうが、その考えで
人形業界のことを調べ始めた。

人形と言っても幅は広い。
着せ替え人形、ぬいぐるみ、地方に伝わる郷土人形(博多人形とか狛犬とか)
様々にある。

ここで展示会好きな私はやはり人形の展示会に出掛けた。
その名も「ドールショー」

毎年、年に2回開催されている。

行ってみてわかったのだが、来場者の多くはいわゆる「オタク」系。
コスプレで来る人、人形を大事に抱えてくる人・・・・

そして展示側もメーカーや問屋さんだけでなく、
自分で人形の衣装を作っている人、人形そのものを作っている人
趣味が嵩じての人達が参加している。

私は人形といえば、リカちゃんぐらいしか知らなかった。
あんなに奥深いものだったとは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

ブライス、プーリップの人気の高さ。




皆さん、この人形に着せる洋服を手作りして、販売している。
それがまた飛ぶように売れてゆく。

それと、球体関節人形。
字で表すとおり、腕や足の関節が自由に動く人形。
有名なメーカーさんと言うと、「ボークス」とか。

こういったドール達を仕入れて販売しては、と考えた。

そしてそして、またまたモノ作りたい情熱が湧き出した私。
カスタマイズ・ドールという世界があることをみつけてしまった。

まっさらな人形に自分で顔を作り、目を入れ、髪の毛をかぶせ、
洋服を作って着せる。

その人形素体を販売しているのが「オビツ製作所」。


オビツさん以外にも、いろいろなメーカーで出しているのだけれど。
皆さん、技術はとっても上級で、麗しい怪しげな表情の人形が
高価な値段で取引されている。

韓国製のものも多く、ドール産業の一躍を担っている。
人形の瞳だけを作って販売しているメーカー、
ウイッグだけを扱っているお店、
靴だけを作っているメーカー、
と、人形関連産業がこんなに盛んだとは知らなかった・・・・・。


そして私は、もっと自分で作ることにこだわり、本体も自分で作れないかと
思い始めた。
(この思想が危険過ぎなのよ~)

まず手始めに
黒川早恵美のサーニット教室
ここは、サーニットという輸入樹脂粘土を使ってヘッド、手、足を作り、
本体はぬいぐるみのように生地を縫って作り、合わせるというもの。

2日間の集中講座に参加し、泊まりで習った。

他にもボークス主催の「顔描き講座」にも参加した。

そしてそして、ついには本体全部作りたい!という気持ちが嵩じ、
ネットで通信教室を開催している
moof人形教室
まで受講することになってしまった。




だんだんと呪いの人形の話になってゆくので、
心臓の悪い方、人形に恐怖を感じる方は
以降はご遠慮くださいね。

ああ、とうとうここまで来てしまったか・・・・・・
という恐ろしい道にはまってゆく私であった・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・


  


Posted by みなと at 12:17Comments(0)人形作り

2017年10月28日

新ドリンクメニューは初恋の味 の巻


 最近、数年前の起業の話ばかりで
本業のみなと喫茶部のことがおろそかになっているなあ~と
自分でも感じている。

別に営業自体をおろそかにしているわけじゃない。
今日もちゃんとドリンクの新メニューの試作をしていた。

名前を何にするか悩んでいる。

みなと喫茶部は、デザインコンセプトが
「昭和の木造校舎」のイメージ。

だから黒板や出席簿のメニューブックなのだ。

今回は、寒い季節を迎えるのに温かい飲み物を考案した。

材料は、リンゴ。
もちろん地元産のシナノスイート。

紅茶がベースになっている。
入っているものは、紅茶葉、リンゴ、レモン汁、それとスパイス。
もう一つ秘密の材料が入っているのだけれど、
それは企業秘密!
内緒!

メニューブックには載せているから わかっちゃうんだけどね。

メニューのネーミングにこだわりたい。
リンゴだから、と言うとすぐにこの詩を思い出す。

「まだあげ初めし前髪の
 林檎のもとに見えしとき
 前にさしたる花櫛の
 花ある君と思ひけり」

島崎藤村の詩だ。

タイトルが「初恋」。

だからこのドリンクの名前は「初恋」にしようかなとも思った。
でもね~、直感的にはわからない。
やっぱり 「何の飲み物?」と思う。

そういうのも有りかとも思うけれど。

学校がモチーフだから、
「転校生」とか 「学級会」とか 「宿題」とか
って名前のメニューがあっても面白いんだけどね。
なんだかもう一ひねり欲しい。

だからまだ考え中。

またいつか面白いアイデアが浮かんだら、
店内メニューのネーミングは一新したいと思います。

だからこの新メニューの名前は
【アップルバター・チャイハニー】

(あ、秘密の材料 言っちゃった!)



シナノスイートはまるごと1個入ってます~。



リンゴとハチミツとスパイスで、風邪対策にはもってこいの
ドリンクとなっています。
寒い日にいかがっしょー!

  


Posted by みなと at 16:58Comments(0)メニュー作りみなと喫茶部

2017年10月28日

私が人形を作り始めたわけ① の巻

 実は、先日まで書いていた「アパレル起業」の話って
ここのブログを見ていただくと、その当時のことが詳細に書いてある。

ナガブロ『るりはりのドールな毎日』

アパレル起業、モノ作りに迷走する日々、わんことの日々
なんてのが書き綴られている。

まあ、今回、そこらへんを抜粋して書いているわけだけれど、
内容はほぼ同じ。
当然と言えば当然なんだけれど(事実は変わらないので)
ただ気持ちとか、感じ方は今も当時も変わっていない。

自分で読んでも、「変わらんな~」と思う。
ってことは、性格ってものは変わらんものだとしみじみ思う。


さて、今日からは人形作りの話。
そこに入るためには
何故、いきなり『人形なのか?』から話さねばならない。


以前、創業塾の話をしたと思う。
松本商工会議所主催。

割と松本商工会議所が重要な役割を担っている。

アパレル会社を創業して、松本商工会議所に入会した。
しかし、松本のそれは大規模なものであり、創業したてのちっぽけな会社なんて
会員の端っこの隅っこの取るに足らない存在・・・・・・。

しかし、会員は会員だ。ということで、
私は会議所が定期的に開催する部会や総会になるべく顔を出すようにした。
参加しているのは、松本の重鎮な方々ばかり。
(要は、おじ様がたばかり・・・・・ということ)

その頃、ちょうど松本商工会議所の専務理事にエプソンを退職され、
任用された方が入り、会議所の改革に着手されていた。
「松本商工会議所の中期計画策定」

この策定会議は会員ならば誰でも参加自由だったので、興味があり
参加した。(10回くらい開催されたかな~?)

まず最初に、会議所のあるべき姿を描く。
現在の課題の認識。
確か、商工会議所に参加する商店や経営者が少なくなってきてしまった。
商工会議所離れが顕著である。というものだったような気がする。
どうやったら、参加会員を増やせるか。
それらをグループに別れ、グループ討議をし、まとめ、全体で発表する
という形式で進められた。

そのグループ討議。
だいたいが経営者、重役クラスのおじちゃま方。
ご自分の意見を述べることはできるのだが、悪い言い方をすると
言いっぱなし。
誰もまとめはしない。
議題もあちこちに飛び、結論が出ない。

そんな状態だったので、自らファシリテーター役を買って出、
書記&議長&まとめ役をした。

どうにかこうにか中期計画もまとまり、今でもそれは
松本商工会議所の中期計画としてあるはず。

前段が長くなったが、
中期計画策定会議の参加者のおじちゃまの一人が松本の高砂通りにある商店の経営者で、
「高砂通り活性化」を真剣に悩んでいた。

高砂通りというと、別名「人形通り」とも言われ、
雛人形を扱うお店が幾軒も立ち並ぶ通り。
しかし、時代の流れで雛人形屋さんも廃業する店が多く、
今では数件しかなくなってしまっている。

中期計画策定会議の傍ら、高砂通り商店街では、
高砂通り活性化会議も進んでいた。

私が商工会議所会議で知り合ったおじちゃまは、ご自分の店は雛人形屋さんでは
ないのだけれど、(紙類や記念品を扱うお店)
新たに人形屋を始めたいと考えていたのだ。

誰か協力者はいないか、と探していた。

乗ったのが私。
人形屋の立ち上げのために私は企画書を書いた。


人形屋立ち上げとは別に
高砂通り商店街活性化会議が、通りを活性化するために
モニュメントを作ろうと計画し、
モニュメントデザインの募集をしていた。

私はそれにも応募した。

結果は不採用だったのだが、
採用された人のモニュメントは作られ、今でも通りの入り口に立っている。



(まあ、あまり批判的なことは言いたくは無いが、
 言わない方がよいことはわかっているが)
しかし、私は言いたい!
いくら立派なモニュメントがあろうと、それは箱物行政に似ている。
立派なモニュメントが立っていようと、本当の商店街の活性化はできない。と。

私の提案書はこうであった。

・まず、高砂通りのあちらこちらに雛人形を置く。
 商店の屋根の上に。
 電信柱の影に。
 水路の中に。
 通りのあちこちに人形がかくれんぼをしている状態を作る。

実は、そういう街がある。
東京の谷根千。
ここは「ネコ」で有名。

飼い猫や野良猫が商店街や通りにいっぱいいたことで
有名になったのだが、
ネコの雑貨屋やカフェもあり、
自然とネコグッズを扱う店も増えていったのだ。

実際のネコにも会えるのだが、屋根の上にいるのは置物のネコ。
通りの端を歩くのも作り物のネコなのだ。



そんなネコ達に会いに、人々が谷根千にやってくる。

高砂通りをそんな谷根千のような商店街にしたかったのだ。
通りの中に雛人形がかくれんぼをしている。
どこに隠れているか探すのも楽しいし、
雛人形達のひそひそと囁く声が聞こえてきそう・・・・・。


いいアイデアだと思ったんだけどな~。
今だったらインスタ映えするし。
このアイデア、他の町の商店街にも使えそう・・・・・。
どこか採用してくれないかなあ~。

雛人形にこだわらず、ハロウィンで商店街を盛り上げようとしているのなら、
一年中ハロウィンでいいじゃん。
カボチャのランタンが屋根の上で笑っているとか、
魔女が電柱の影にひっそりと佇んでいるとか。(怖い・・・・・・?)

(ああ、これじゃあホラーの街になっちゃうか・・・・・・)

さて、会議所で知り合った人形屋さんを開業しようというおじちゃまと
高砂商店街の活性化と
それが私の人形作りとどう関わってくるのか!

明日からのお楽しみ~。
(いや、別に楽しみにはされてないか・・・・・・)


(当時の高砂通り)

  


Posted by みなと at 10:53Comments(0)人形作り

2017年10月27日

よくネタが続くなあアパレル起業の話⑥ の巻

 しかし、そうは言ってもそろそろネタも尽きてきた頃・・・・・・。

この話のシリーズも今回が
最終章となりますでしょうか?

最後を飾るのは、Rulyishの稼ぎ頭のお話。

毎年、クリスマス時期になると必ず注文が入るという
Teddy Bearくん。

完全オーダー品で承っています。



Rulyishテディベアのページ

タータンチェック生地はハギレがとにかくいっぱい出る!
洋服を作る際に、チェック柄を合わせるため、
どうしても型紙を載せる位置に制約が出てしまい、
無駄な取り方となってしまうのだ。

普通は、そういったハギレは縫製メーカーさんは全て廃棄。

しか~し!私はあまりにもったいない精神で、ハギレを全て
段ボールに入れてもらい、回収した。

そのハギレ。
ハギレとは言え、大きいし、大量だ。
メーターあたりウン千円するものだ。
使わない手はない。

そこで、そのハギレを使ってテディーベアを作ることにした。

自分でもチャレンジしてみた。

結果・・・・・ハギレがもったいない・・・・・・という結論に至った。
テディーベアとは思えない代物に仕上がった・・・・・・・。

縫い手を捜した。
松本衣デザイン専門学校の卒業生を紹介していただき、
それと会社のデザイナーの後輩の奥様にもお願いして
2名の方に作ってもらっている。

赤系チェックとグリーン系チェックを選んでいただき、
注文を受けて約2~3週間で仕上げて送る。

クリスマスのプレゼントにちょうど良いらしく、必ず毎年
注文が入る。

手作りで、1匹1匹全て表情が違う。
チェックも同じものの組み合わせはできないので、
全てが違うものになる。

もったいない精神も役立つ。
やはり、捨てるのは最後の手段。
何でも活かさねばね。

まだまだこのタータンチェックのハギレは段ボール箱何箱も在庫している。
今はそれを使ってちくちくとバッグなんかを作っている。

お店にて販売中です。
生地はメーターあたりウン千円のものです。
ツヤがあり、柔らかく、軽いものです。
一度、触ってみてくださいな。


さあ、長い長いアパレル起業の話。
お付き合いありがとうございました。
今回で一旦終了となります。

が、次回からは次なる話。
私が人形作りを始めたわけ のお話を始めようと思います。

これまた、抱腹絶倒の話。


乞うご期待!!

  


Posted by みなと at 11:07Comments(2)アパレル起業

2017年10月26日

えっ?まだ続くの?アパレル起業の話⑤ の巻


 昨日は、オーダーシャツの話でしたね。
今朝は、インド刺繍ストールのお話です。

Rulyishで扱う商品のひとつに「インド刺繍」というカテゴリーがあります。
これは、私が展示会でみつけ、惚れ込み、
取引をお願いした会社でした。

手刺繍工房ラジュー株式会社

今では、立派な工房になっちゃいましたね。

まだその頃は、ちっちゃなブースで、女性が一人ぽつんとアテンドしてました。
展示してあったのは、インドの職人さん達が一針一針丹精込めた
手刺繍の数々。

まだビジネスを始めたばかりとおっしゃってました。
ダンナさんがインドの方で、インドに刺繍の工房をもってらっしゃるとか。
インド工芸品でよくみかけるキラキラビーズの靴とか、作ってらっしゃいました。

インドといえば、カシミール地方のカシミアヤギから採れるカシミアも有名。
そのカシミアも安価に入手できるとか。
そこにこのインド手刺繍を施してもらう商品を依頼しました。

図案は自分で描き起しました。





刺繍をよく見ると、一つ一つ本当に細かく、手で作っているなとわかります。

カシミアストールも大判で、この価格では絶対に入手できないサイズ。
インド直輸入だからできることでした。

そんな素人がいきなり取引なんてできないであろうものも、
お相手の会社もできたてで、ひよっこ同志だからこそ
できた取引であったと思います。

そんな自分の「運」とそれを引き寄せる「運の強さ」を感じてます。

ファッション、アパレル関連の展示会ってお宝探しみたいなところってあります。
まだ世に出ていない生まれたての若いモノ作りの人達や会社が
ちっちゃなブースを開いて、頑張っているのです。

それを見いだすってのもなかなか楽しいし、
一緒に頑張りましょうって感じでお付合いするのも楽しいです。

Rulyishインド手刺繍ストールのHPはこちら

お買い得ですし、刺繍 素晴らしいです!
みなと喫茶部にいらしてくだされば、ご覧いただけます。

  


Posted by みなと at 10:17Comments(0)アパレル起業

2017年10月25日

まだまだ続くよアパレル起業の話④ の巻

 長編化してきたこの話。

だいたい大筋の話はできたので、これからは脇道というか
補足的な小ネタ話を。

実は、Rulyishは縫製メーカーさん2社にお願いしたとあるが、
もう1社 大事なお取引メーカーさんがいるのだ。

それは、松本にある 「アルプスシャツ」さん。
今は、「アルプスオーダーシャツ工房」として同じ場所に工房を構えてらっしゃる。

そこも松本衣デザイン専門学校のO校長に紹介いただいた。

オーダーシャツの製造をされている。
お父さんのワイシャツは今でこそ、既成でひょいと買ってこれるのだが、
それでも首周り、腕の長さ、着丈 と細かくサイズは分かれている。
一昔前は、皆、オーダーで自分のサイズを測って作ってもらっていたのだ。

そこで、レディース・シャツのオーダーを依頼した。
ネットショップ上にご自分のサイズを入れていただき、
そのサイズで完全オーダーで作ってもらうシステム。

デザインは同じで袖口と襟裏のチェックの色だけ選ぶことができる。

このデザインも自分でしたもの。
なかなか気に入っているデザイン。

袖口のところ、折り返したカフスを留めているボタン。
実はこれはボタンではなく、カフスなのだ。
ガムカフスと言って、組み紐で編んだ1つの玉をゴムでつなげてあり、
その玉をそれぞれのカフスの穴に入れて使うというもの。

その頃、なかなかこのガムカフスを売っているところがなく、
やはりアパレルの展示会に行き、
ボタン問屋さんの一つにこれを扱っている会社をみつけ、
取引をお願いしたのだ。

こだわるね~。私。

そんなこだわりのオーダーシャツ¥11,880。
自分のサイズぴったりにできますからね。
生地も男性用ワイシャツ素材を使っているので、丈夫です。

いろいろな会社に手助けいただき、
特に長野県内のメーカーさんには本当にお世話になっているのです。
(継続中です。)






ベース色は白。
襟の裏と袖のカフスが折り返しになっていて、
その裏とにチェック生地が使ってある。
ボタンは同じチェック生地のくるみボタン。

おっしゃれー!
(自画自賛だ)

オーダーなので、注文を受けてからの製造になるので
ちょっとだけお時間をいただきます。
 
  


Posted by みなと at 10:55Comments(0)アパレル起業

2017年10月24日

長い長いアパレル起業の話③ の巻


 創業って、自分で思い立つだけではできないってことは
誰でもわかっていること。

そのノウハウを教えてくれるのが「創業塾」。

よく各地域の商工会議所が主体となってこういった創業のための
セミナーや講座を設けている。

私もご他聞に漏れず、その頃に募集されていた「創業塾」へ。
松本商工会議所でしか開催されていなかった。

隔週土曜日の朝から夕方までみっちり1日の受講。
最初は座学。
次第にグループワークに。

資金調達の仕方から、決算のやり方まで
いろいろと教えてくれた。

その時に一緒に受講された方々とは今でもちょっとお付き合いがある。
松本商工会議所は創業してからは会費を払って会員にもなった。

そこで知り合った方々とも別の物語があって、
それも面白すぎるので、それはまた別の機会にお話しましょう。



さて、実店舗を持たないネットショップで売ってゆこうと
ネットショップを開設したはいいけれど、
楽天とかYahooといった大手のネットショップに属さず、
言うなれば路面店を開設したわけ。

誰も知るわけなく、訪れる人も無く、売れはしない・・・・・。

実店舗は持たないけれど、知ってもらうために色々な努力はした。
O校長のツテでY洋品店の一部に商品を置いて委託販売をしてもらったり、
学校の直販店にも置いてもらったり、
その頃通っていたビーズ教室のツテで中町の洋服店にも置いてもらったりした。

展示即売会みたいな感じで
伊那のADコマーシャルの社長のツテで長野市のレストランで開催したし、
創業塾の仲間のツテで松本のインテリアのMでも展示会を行った。

ネットショップもアクセス件数を増やすために、
怪しげな検索サイト会社と契約したし、
雑誌に広告も掲載した。

これらは無駄な投資だったけれど、勉強にはなった。
かなり痛い投資だったけれど、それからは二度とはまらないので、
必要だったのかな、と言い聞かせている。

その中で一番ヒットだったのが、
テレビ東京の番組『137億年の物語』のアシスタントの衣装として
取り上げられたことだ。

もう既に終了してしまった番組だが、HP内でアシスタントの女性が
着用しているチェックのベストはRulyishのものなのだ。



こちらからお願いしたわけではなくある日突然、スタイリストと名乗る人から
電話をもらい、衣装として採用したいので、貸してくれないかと言われた。
最初はだまされている?と思ったが、
乗ってみるか、という一か八かのこの性格が幸いして、
話がまとまった。

(人生の楽園のパターンとまったく一緒。
 私は何かを持っている、と言われた・・・・・・・)

この番組は衣装は買取をしてくれて、嬉しかった。

雑誌で、編集の人から、「衣装は無償で。」と高飛車に言われたところもあった。
広告代と思ってよね、というのがみえみえで「当然」みたいな態度だったので、
丁重におことわりした。
(編集長Iさんが着用してイギリスへ旅すると言ってた)

タータンチェックというのは、日本では高校生の制服になったりして有名だが
イギリスでは、エリザベス女王が公式行事で着用されたり、
ダイアナ元・王妃の名前の付いたタータンチェックがあったりと
大人の女性にもファンは多い。

Rulyishもファンの方がいて下さり、
別注=ご自分のサイズでフルオーダーをしてくださる方がいらっしゃる。
もちろん生地(チェック)も選んで。

1枚だけ縫製メーカーにお願いして作ってもらうので、
特別価格になってしまうが、そんなに目の玉が飛び出るような値段ではないので
とってもお得な買い物だと思う。

そんなことができるのも、パターンを興して下さる講師の方が
近くにいたくださり、対応してくださるからだ。


モノ作り~販売。
その中で一番大変なのが、『売ること』。

作るのは、それこそ素材と作り手があれば何とかなるもの。
だが、売ること これだけはいかんせん、何とも出来ないのだ。

例えば、日本の伝統的な工芸品。
モノは素晴らしく、見れば皆が欲しくなる物。

だが、売り方がわからない・・・・・・。
心に響く売り方ができない・・・・・。
それ故に、埋もれて廃れてゆく。

欲しい人とそのモノが出会えないのだ。
単にお店に並べればいいということでもない。
売る場所、売り方、知らせ方、値段・・・・・。

売ることと一言では片付けられないほどいろいろな要素が絡み合う。

そういえば、私、若い起業家を応援する
『ゼロイチ・プロジェクト』
てのにも応募して、しばらくそこで活動してたなあ~。

要はアパレル関連の起業家の人達を集めて、販売するHPがあり、
そこに色々な起業家の個店が寄り集まり
面白い大手ではできない商品を販売し、若手を発掘、育てるというプロジェクト。

もう期間が過ぎ、そのHPは無くなっているけれど、
そこでも販売をしていた。

このプロジェクトに入るためには面接試験もあったりして、
資料を作ってプレゼンしたのよ。


まあ、いろんなことしてるね~。
これらのことを会社勤めしたながらやってたんだから、
物凄いエネルギー。
(会社の仕事もちゃんとやってたしね)

そのゼロイチプロジェクトを通じて私のお店を知ってくれた
北九州のお店との付き合い
それは、また翌日に。



かっちりとしたベストも、こんなロリータ・ゴシックのような
コーディネートができるのよ~。
大人のゴシックも可愛いと思いますよ。  


Posted by みなと at 11:36Comments(0)アパレル起業

2017年10月23日

長い長いアパレル起業の話② の巻

 さて、昨日はどこまで進んだでしょうか?
自分でも長すぎてどこまで話したか忘れてしまう・・・・・。
もう少し端折ろうかな・・・・・

そうそう。洋裁教室に通い始めた というところですね。

私が通った洋裁教室は、現在の松本衣デザイン専門学校の前進
青葉洋裁学校の校長・K先生のご自宅兼教室。

公に募集しておらず、人づてで紹介された人だけを教えてらっしゃった。
K先生は当時で既に93歳。

ミシンは足踏み式。
そこでパターンの引き方から縫製の仕方まで全てを教えていただいた。
毎週土曜日の10時から4時くらいまで。

先生は足が悪くてらっしゃり、若い頃、将来を危惧されたご両親が
手に職を ということで、その頃いらした奉天(満州)の洋裁学校に
入れたそう。
もう93歳になられて、車椅子生活だったが、ミシンはしっかりと足踏みで
やられていた。

この先生を紹介してくださったのが、現・松本衣デザイン専門学校校長のOさん。
その出会いもちょっとしたストーリー。

またまた脱線するけど、その出会いの話をちょっと。

まだ私が20代の頃、松本木工団地で家具のデザイン募集があった。
そこに応募し、入選をした。
それを見たO校長が、
「生徒にデザインの話をして欲しい。」と私に依頼してきたのだ。

私は自分自身が何かお役にたてれるならと、快諾し
2時間くらい生徒さんの前で時計のデザインの話をさせてもらった。
昨日書いたようなパリのトレンドの話や、イタリアでの長期滞在出張の話なんかをした。

その縁がずっと続き、洋裁教室の件もO校長の叔母さんである
K先生を紹介していただいたのだ。

そこの教室に2年半ほど通ったかな?
自分でパターンを興し、スカート、ベスト、ジャケット、ワンピースなどを作った。

もともとが不器用な私・・・・・
洋裁ももれなく、そんなに上達はせず。
しかし、洋裁の基礎は一応理解はできた。

さて、自分のスキルが上がったところで
O校長のツテでパターンは専門学校の現役講師の方に。
縫製は長野県内の縫製メーカーを紹介いただいた。(2社)

デザインはもちろん私。

デザイン画を何枚も描き、その中から4点を選んだ。

ジャケット、ショートジャケット、ベスト、スカート
この4点。

生地はもちろんタータンチェック。
いろいろな生地の見本市を回り、やはりスコットランドの本格タータンの
風合いに惚れ込み、これでなければ!とこだわり、
なんとか調達をした。

しかし、調達をするには法人相手でなければこの業界は
何をするにも進まないのだ。
個人事業ではダメで、○○株式会社でなければ取引はできないのだ。

で、またまたO校長の紹介で、税理士さんを紹介いただき、
会社の立ち上げ方から教えていただき、
その方の紹介で弁理士さんを紹介していただき、
「Rurihari design株式会社」を立ち上げたのである。

しかし、その当時はまだ企業に勤めており、
副業は許されてはおらず、
苦肉の策で、母に代表になってもらい、母の会社として立ち上げたのである。
(私は使用人)

そして販売はネットのみ。
自分でネットショップも作成した。

全て勤めの傍ら、休みの日に作業をした。

製品が縫製メーカーさんから上がってきて、
それを撮影。
ネットにアップし、売れれば梱包し、発送する。
それを全て一人でこなした。

そういうネットショップのノウハウは自分で調べて身に付けた。
HTMLの教室にも東京まで通ったし、
アパレル業界のイロハを知るために、セミナーにも通った。

そういうところは我ながらまじめね~、と思う。

私って本当に一人でどんどこと走っていってしまうタイプ。
考えて悩む前に突っ走っているタイプ。
だから失敗も多い。

だけど、悩んで躊躇している暇があったら、動いている。
有限実行タイプなんだね。
(まわりからはあきれられているけれど・・・・・)

長い長いアパレル起業の話は尽きません。
細かいところはすっ飛ばして話しているので、
本当はもっとこぼれ話もいっぱいある。

それはまたのお楽しみ~。


パターンを興し、トワールを作り、その試着。
補正をしているところ。
最終的な型紙を作って縫製メーカーさんに依頼します。



こちらは縫製メーカーの飯田市のM社さんと松本市のS社さん。










  


Posted by みなと at 18:07Comments(0)アパレル起業