ウォッチ回顧録~その⑧ の巻

みなと

2018年06月06日 09:45


 さて、このウォッチ回顧録もいよいよ最終回を迎えることとなりました。

あの頃の苦労を想い出しながらここまで書き進めました。

さあ、怒涛のウォッチ回顧録最終回です~!


LUKIA 2nd.ライン。
あるテレビ番組でヒロインの持ち小物として採用された。
その頃メチャクチャ勢いのあった「月9」

飛ぶ鳥落とす勢いの 木村拓哉主演
ヒロインは松たか子とのコンビのドラマ

「ラブ ジェネレーション」



松たか子がいつも見につけていたウォッチ。
それがこれ。



物凄い勢いで売れた!
クリスマスのプレゼントにと、彼氏が彼女に贈った(と思われる)。

全国の売上げ数量のレポートが毎月出ていたのだが、
そのトップがこのウォッチだった。
その状態が数ヶ月続いた。

しかし、これを頂点として、以降LUKIAは新規に様々な新型モデルが投入されたが
これ以上の売上げは出ていない。
伝説のリファレンスとなっている。(たぶん・・・)

私もしばらくはLUKIA担当デザインをしていたが、
数年して離れた。

今もSEIKO LUKIAは存在している。
随分と様変わりをしている。
時代に連れて、LUKIAも変貌していくのだろう。

そう。ウォッチは嗜好品。
工業製品とは一線を画している。
どちらかというと、宝飾品に近い。

なので、私も「プロダクト・デザイナー」と言いつつ、
プロダクトなのかちょっと疑問。
特殊なジャンルのデザインをしていたと思う。

しかし、人生においてこんなに素敵なウォッチのデザインができた
経験ができたことは本当に貴重だったし、誉だった。
しかもコマーシャルに何度も出、
ドラマにまで出演した時計に携われるということも
誰にでも訪れるチャンスではない。

関わらせてくださった当時のデザイン部署の上司や
SEIKOの企画者の方々に感謝をしている。


8回に渡ってお送りした「ウォッチ回顧録」
専門用語が多すぎて、読むのが厳しい との声もあったけれど、
ウォッチファンの人が見たら、喜んじゃう?
ような、業界の裏話もさせてもらいました。

当時なら機密情報で、こんなこと書いたら怒られるどころじゃすまなかったけれど、
もう何十年も前のこと。
今でこそ書けた内容。

あくまで自分の備忘録 でした。

「おしまい」

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