ウォッチ回顧録~その④ の巻

みなと

2018年06月02日 10:53

(しばらく書けなかったこの回顧録 ようやく復活です。)

デザイン・コンセプトは
ターゲットの女性達が自分達でもまだわかっていない、
【これからの自分が欲しいと思うであろうウォッチ】
を描かねばならないのだ。

そう。グルインに来ている女性達も自分はどんなウォッチが欲しいか
答えを持っているわけではないのだ。
問われるままに、気分で答えているだけなのだ。

デザイナーと企画者が悩んで想像して創り上げるしかないのだ。

一つの確信はできた。
それは
「メタル・バンド」。

金属でできた時計バンドのこと。

(ヘビメタ・バンドではない・・・・・)
(ここでそういうボケは必要ないと思うが・・・・・・)

その頃の女性用ウォッチは革バンドが主流で、
あとは「Tisse」で流行った華奢で細いブレスレットのようなバンド
くらいしか無かった。

働く女性の強さを「メタル・バンド」で表現したかった。
はめた時に腕にすっとフィットする
そんな無機質な 強さを持ったバンド。

そんな言葉がグルインの中にあった。

デザインコンセプトは【辛口】。

颯爽と仕事に打ち込むとき
ウォッチがアクセサリーでもあって欲しい。
でも、甘いアクセサリーではなく、きりっとした雰囲気を持つもの。

それを表現できる「メタル・バンド」デザインを考えた。

自分達で作り上げた【仮説】を信じ、
それがだんだんと仮説から【確信】に変わってゆく。

そして出来上がったのが

『LUKIA』

だった。

最初のモデルは4タイプ。
丸型
正方形
長方形
多針の丸型






セイコーでは、CMタレントに今井美樹を採用し、テレビCMでも流し、
このLUKIAを大々的に宣伝しようとしていた。

CM用の代表モデルも決まり、
ポスター撮りをしている時
ある事件が起こった・・・・・・・・・・・・

それはLUKIAの運命を覆すような大事件だった・・・・・

(つづく)

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